こんな話考えてみた5「セメントきょじんのなみだ」

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ストーリー

ドーリィはコキンちゃんに生きる意味について語るが、コキンちゃんには全然わかってもらえない。コキンちゃんと別れて山のほうへ行くと、大きな穴に流し込まれたセメントに出会う。セメントは固まれば踏まれる運命にある自分を悲観し、自分自身の命を欲しがっていた。話を聞いて同情したドーリィに、突然セメントが襲い掛かり、命の星を奪ってしまう。
命を得たセメントは巨大な人形へと姿を変え、町へ向かう。町がパニックになったのを見てアンパンマンが駆けつけ、セメント巨人の話を聞くと、急いでドーリィの襲われた山へ向かう。そこへばいきんまんたちがコキンちゃんも連れてやってきて、セメント巨人は次はコキンちゃんの命を狙う。
話を聞いてカレーパンマンたちも助けに来るが、軟らかくて手ごたえの無いセメント巨人相手ではどんな攻撃も効き目が無い。そうしているうちにアンパンマンの仲間たちは全滅して瓦礫に埋もれ、ばいきんまんとドキンちゃんもコキンちゃんをかばってやられてしまう。
一人残されたコキンちゃんは逃げ場の無い狭い空間を泣きながら逃げ回る。そのとき、突然地面から多量の水が噴き出す。瓦礫の下へ流れたコキンちゃんの涙が埋まっていたアンパンマンたちにかかったのだ。水につかり、どろどろに溶けてゆくセメント巨人。セメントの泥沼の中で、みんなはお互いの無事を確認する。ただ一人、ドーリィを除いて。
力なく沼に浮かぶドーリィを囲み、皆が悲しみにくれていると、沼の中から再びセメント巨人が姿を現す。小さい命なのになぜそんなに悲しむのかが理解できないセメント巨人に、アンパンマンたちは、小さくても同じ、大切な命なんだと教える。それにより自分のしたことの罪深さに気付き、大泣きするセメント巨人。その涙と一緒に命の星の輝きがセメント巨人から抜けてゆき、ドーリィの体へ帰ってゆく。
ドーリィが意識を取り戻すと、セメント巨人はすでに涙の最後の一滴まで流し、乾燥した石像となっていた。

解説

セメント巨人も新キャラクター。水分含有量で状態が変化します。
液状→初期状態。それなりに動けるが流れやすい
生乾き→自分の形を作り、最も動きやすい状態
乾燥→最終形態。完全に固まって動けない
命の大切さに気付いたんなら、きっとまた復活することがあるでしょう。