清潔な世界

アンパンマンの世界は、われわれの住まう現実世界と比べて、汚いものがあまりない。
たとえば、他人の体や体液はきれいである。ジャムおじさんが汗をぬぐった手でそのままパンを作っても問題ないし、カレーパンマンが口から吐き出して作ったカレーを出されても誰も文句は言わないし、ばいきんまんが途中までなめた飴をカバオたちは平気で口にする。また、地面も清潔である。アンパンマンの新しい顔はいったん地面に落ちても、特に汚れている場合でない限り、元気百倍は衰えない。
そして、汚いものはあまり出てこない。ばいきんまんなどが嫌がらせのため汚すことはあるが、そうでなく自然に発生する汚さはほとんど見られない。古くなったアンパンマンの顔はいつの間にかなくなっているし、カレーパンマンの顔が古くなって腐ることもない。何よりも、排泄という行為が完全に無視されている。
このように汚いものが避けられているのは、もしかすると登場キャラクターの多くが食べ物関連だからだろうか。